ドイツ人が大好きなドイツ料理ホワイトアスパラガス、ドイツを代表する食べ物
2021/02/16
ドイツ人が愛してやまない食材シュパーゲル、ホワイトアスパラガスの事です。ドイツに春の訪れを告げるのは何時だってこのシュパーゲル。ホワイトアスパラガスを街中で見かけるようになると、待ちに待った春の到来を感じて、ドイツ人の顔に微笑みが浮かんでしまうのです。ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界中を食べ尽くすの記録。今回はドイツのホワイトアスパラガスに関する全て。
ドイツの街中でやたら目にする食材
ドイツにあるブレーメンの街を訪れました。ブレーメンはグリム童話の「ブレーメンの音楽隊」で有名な街。ユネスコの世界遺産にも登録された美しい街なので、多くの観光客が訪れます。ブレーメンに関する情報はこちらの記事にまとめてあります。
ブレーメンの街は、グリム童話そのままの可愛さ。散策するのがとても楽しかったです。とは言っても旧市街の一般的な観光エリアはとても小さく、二時間もあれば全て見て周れます。なのでグルグルと当ても無く街中を歩いていたらやたらに目につくものがありました。それがホワイトアスパラガスです。
ドイツ人が一番愛する食べ物
ドイツと言えばソーセージ。確かにドイツには沢山の種類のソーセージがあります。でもドイツ国民の人気ナンバーワンを誇り、誰もが愛してやまない食材と言えばシュパーゲル、ホワイトアスパラガスです。
日本ではあまり馴染みの無いホワイトアスパラガス。私が住んでいるスペインでさえ生のホワイトアスパラガスを見かける機会はありません。スペインでホワイトアスパラガスと言えば、缶や瓶詰しかないからです。
ドイツでもホワイトアスパラガスの缶詰は売られていますがドイツ国民にとってホワイトアスパラガスと言えば生。そして緑のアスパラガスも普通に食べられていますがホワイトアスパラガスの人気には到底かないません。
ドイツ人に春の訪れを告げる食材
寒くて長いドイツの冬が終わりを告げ、待ちに待った春の訪れを感じるのは、何時だってホワイトアスパラガスが市場に出回るようになった時。でもドイツでホワイトアスパラガスを食べる事が出来る期間は本当に短いです。だいたい4月の中旬辺りから出荷が始まり、6月24日の洗礼者ヨハネの祝日に終わりを告げます。これはホワイトアスパラガスの根を保護し、翌年も質の良いホワイトアスパラガスを栽培する為に初夏に収穫を終え畑を休ませなければならないからです。
ドイツでは昔から大切な期日を選ぶのにキリスト教の暦が使われるので、6月24日のヨハネの祝日に全国一斉に白アスパラガスの収穫を終える事になりました。 限られた期間にしか食べられない旬の味。そして待ち望んだ春の到来を告げる食材だからこそドイツ人はホワイトアスパラガスをこよなく愛し、この季節になると皆でこぞってホワイトアスパラガスを食べるのです。
街中の至る所に臨時のホワイトアスパラガス売り場が現れ、市場やスーパーでもホワイトアスパラガスがどーんと場所を牛耳るようになります。ドイツ語でホワイトアスパラガスはシュパーゲル。この時期になるとドイツのレストランの店頭に「シュパーゲルあります」の文字が賑わいます。
ホワイトアスパラガスの価格
ホワイトアスパラガスの価格は品質によって異なります。最高クラスは穂先が白くギュッとしまっていて、胴体はまっすぐ、太さの揃った長さ22cm、直径16〜26mm程度のモノ。次のクラスは同じく穂先が白くギュッとしまり、胴体はまっすで傷が無く、長さ17〜22cm、直径が12〜26mm程度のモノ。
2級品と呼ばれるクラスは穂先が少し柔らかく、ちょっと色がかかっている場合もあり、胴体も少しまがっていたりはするけれど傷の無い、長さ12〜22cm、直径12mm程度のモノ。その他にもスープの出汁などに使われる屑クラスのホワイトアスパラガスもあります。
だいたい平均7〜8ユーロで、最高品質のホワイトアスパラガスならキロ当たり10ユーロ以上したりします。ギリシャなどから輸入されるホワイトアスパラガスはもっと安いのですが、日本人が国産の松茸にこだわるようにドイツ人もまた国産のホワイトアスパラガスにこだわります。なので市場に出回る70パーセントぐらいが国産のホワイトアスパラガスだと言われています。
ホワイトアスパラガスは何故白いのか
ホワイトアスパラガスは何故白いのでしょうか。答えは日に当たらないからです。日に当たり光合成が行われるとグリーンアスパラガスとなります。ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスって、実は同じ代物だったんですね。
だからホワイトアスパラガスは土の中から顔を出す前に収穫しなければなりません。一般的にホワイトアスパラガスは日に当たらないようアスパラガスの上に土を盛って育てます。そしてホワイトアスパラガスの収穫は機械を使いません。人の手で、常に屈んだ状態で収穫するので大変な重労働です。
ホワイトアスパラガスが高価な理由
栽培に手間暇がかかり収穫も重労働である為、ホワイトアスパラガスが安価で売られる事はありません。最近では技術も進んで、土を盛る採土法に代わってビニールハウスに陽光を遮るフィルムを使って栽培したり、収穫方法も常に屈んだ状態で摘まなくて良いよう地面から離れた、腰の辺りの高さで栽培したりするそうです。でもやっぱり昔からの栽培方法で育つホワイトアスパラガスとは同じ味にはならないのだそう。
美味しいホワイトアスパラガスの見分け方
ホワイトアスパラガスは新鮮な程美味しいです。だからスーパーで購入するよりも臨時スタンドや朝市で買ってその日の内に食べるのが一番です。ホワイトアスパラガスの80パーセントは水分なので新鮮なモノほど水気があります。だからホワイトアスパラガスを購入する際に気を付けなければならないのは水気の度合。ヘタの部分を触って切り口が十分みずみずしいモノを選ばなくてはなりません。
ドイツ人は良く購入する前にアスパラガスとアスパラガスをこすり合わせせたりするのですが、これは水気の多いアスパラガスほどキュッキュッとした高い音が出るからなのだそう。スイカを叩く日本人と同じですね。
ホワイトアスパラガスの調理法
ドイツ人なら誰もが知っているホワイトアスパラガスの調理法。こちらの記事にまとめてあります。