世界100ヵ国以上を食べ歩いたヨーロッパ在住のフードライターが、自信を持っておすすめする、絶対に食べるべきウクライナ料理のリスト。現在ウクライナは厳しい状況におかれていますが、一日も早く平和が訪れることを願っています。
【2026年1月 追記】
2026年現在、ウクライナへの渡航情報は常に変動しています。現地を訪れる際は、必ず外務省の最新の海外安全情報を確認してください。一方で、ウクライナ料理は世界中の避難先や支援コミュニティを通じて、その美味しさと文化的重要性が再評価されています。
【絶品】身も心も温まる!ウクライナの極上スープ5選
寒さが厳しい国、貧しさを経験した国の人達は、体を温めるスープ系の料理が得意。ウクライナもしかりで、バリエーション豊かなスープが沢山あります。馴染みの無い味が多いのですが、不思議と日本人の口に良く合う味です。
世界遺産にも登録!ウクライナの魂「ボルシチ」

ボルシチ(Борщ)は世界三大スープの一つ。多くの国で親しまれ、世界的な知名度もある料理です。ただ、ウクライナ発祥のウクライナの郷土料理なのですが、多くの人がロシア料理だと思っています。
ロシア憎しのウクライナの人達は、それが悔しくてたまらない。ボルシチは今やウクライナ人のアイデンティティになっているので、ウクライナの人達に、ボルシチの事をロシア料理だなんて、口が裂けても言ってはダメです。
ボルシチはビーツを使って作るので、鮮やかな赤い色のスープとなるのが大きな特徴。ウクライナの人達にとって味噌汁のような存在で、美味しいボルシチを作る事が出来ると「これでお嫁にいけるね」と言われるようになります。
ボルシチに決められたレシピはありません。作る人の数だけレシピがあるとされますが、基本的にはビーツと冷蔵庫にある残り物全てを鍋に入れて煮込んだら出来上がります。
ビーツを使わないボルシチも存在し、ビーツ以外の野菜を使って作る場合は、緑のボルシチ(スイバ使用)、白のボルシチ(ライムギ使用)などのように、ボルシチの前に色などの特徴を付けて区別します。
いずれのボルシチも、優しい母の味がする典型的な家庭料理。ランチや夕食は勿論、朝ごはんにも登場します。寒い冬にはアツアツを、暑い夏には冷たくして、サワークリームに似たスメタナをたっぷり入れて食べます。
💡 旅のヒント:
2022年にユネスコの無形文化遺産に登録されたボルシチ。首都キーウ(キエフ)の人気チェーン店「プザタ・ハタ (Puzata Hata)」では、手頃な価格で本場の味を楽しめます。
現地人が熱愛する「緑のボルシチ」の秘密

ボルシチと言えば赤。でもウクライナには緑色のボルシチも存在し、赤いボルシチに負けず劣らずの人気を誇ります。緑の葉系の野菜を大量に使うので、緑のボルシチ、ボルシュツザラニー (Борщ зелений) と呼ばれます。
ただ他の料理同様サワークリームをたっぷり入れて食べるので、実際には緑と言うより白っぽい色のスープ。ほうれん草やセロリなども使用されますが、ウクライナ人が大好きなのは、タデ科のスイバを使って作る緑のボルシチ。
スイバは日本でも田舎に行くと良く見かける野草で、シュウ酸を多く含むので、かじると酸っぱい味がします。ウクライナの移住者初心者のあるあるは、スーパーでほうれん草と間違ってスイバを購入し、酸っぱいので腐っていると勘違いして捨ててしまう事なのだそう。
【味の決め手】ウクライナ料理に欠かせない「スメタナ」

ウクライナ料理を語る上で、絶対に避けて通れない食材がスメタナ (smetana) です。サワークリームに似た脂肪分の高い発酵乳製品で、ウクライナの人達はどんな料理にも大量のスメタナを添えて食べます。
スメタナはパンケーキなどの甘い系のデザートはもちろん、肉や魚などオカズ系の食べ物、スープ類、ご飯などの主食系、何にでも使用されます。日本料理に醤油が欠かせないこと以上に、ウクライナの料理の味の基本は、このスメタナにあるのです。
二日酔いの救世主「ソリャンカ」
二日酔いに良く効くとして、ウクライナ人から絶大な敬意をはらわれているスープがソリャンカ (Соля́нка)。塩辛い汁物を意味するのは、キュウリの漬物の漬け汁を使って作るスープだからです。
ピクルス、オリーブ、ケッパー、肉や魚の燻製など、オードブルとして食べられる食材を使って作るので、飲むオードブルとも呼ばれています。ウクライナの人達はどんなに大量のウォッカを飲んでも、後でソリャンカさえ飲めば大丈夫だと思っています。
暑い夏に最適!飲むサラダ「オクローシュカ」

キュウリ、ハム、茹でたジャガイモなどの野菜を細切れに切って、シャバシャバのヨーグルトのようなケフィアと一緒に混ぜて作る冷たいスープがオクローシュカ (Окрошка)。ウクライナの人達は、夏になると毎日のように飲んでいます。
ケフィアではなく微炭酸・微アルコール飲料のクヴァスで作るタイプもあります。寒いイメージしかないウクライナですが、夏は猛暑となる日が多く体を冷やしてくれる冷たいスープは必需品。ヨーグルトの酸味も夏バテ予防に抜群の効果です。
素材の旨味が凝縮!魚のスープ「ウハー」
魚の出汁をシンプルに楽しむスープがウハー (Уха)。ウクライナの人達は海の魚を殆ど食べないので、ウハ―も川魚で作ります。魚の出汁が効いた濁りのないスープで、味付けもシンプルにローリエと塩だけ。最後にディルを散らし、レモンのスライスを添えます。
【定番】絶対に外せないウクライナのメイン料理
もっちり食感がたまらない「ヴァレーヌィク(ウクライナ風餃子)」

ウクライナで一番ポピュラーな料理が、ヴァレーヌィク (Вареники)、またはヴァレニキと呼ばれるウクライナ風餃子。ウクライナだけでなく、かつてウクライナを支配していたポーランド、リトアニア、ロシアを中心に、東ヨーロッパの広い国々で親しまれている料理です。
見た目はかなり水餃子ですが、味は全く異なります。もちもちした厚めの生地の中には、ひき肉、カッテージチーズ、マッシュポテトなどの具が入ります。お湯で茹で、炒めた玉ねぎとスメタナを添えて食べます。ウクライナ人家庭の食卓に、登場する回数が一番多い料理。
近年はスーパーなどでヴァレニキの冷凍品が安く売られるようになったので、手作りする人が少なくなりました。冷凍品も悪くないのですが、手作りの方が断然美味しいので、時間のある時に大量に作って冷凍保存するお母さんも多いです。
デザートにもなる!甘い「ヴァレーヌィク」

ヴァレーヌィクはおかず系だけでなく、甘い系もあります。中にはジャム、クリーム、チェリーなどが入ります。ヴァレニキを茹でた後で砂糖をまぶし、スメタナ(サワークリーム)と一緒に食べます。
日本人的には食後のデザート的料理ですが、ウクライナの人達はメインディッシュとして食べます。ウクライナに限らず東欧では、甘い系の食べ物が食事のメインとなるケースが多いです。そして通常の日の食事にデザートは食べません。
一口サイズの幸せ「ペリメニ」

前述のヴァレニキのような餃子系の食べ物で、もっと小さい版がペリメニ (пельмени)。小麦粉と卵、牛乳で作る生地で、細かく挽いた肉、チーズなどを包みます。ソースなどは使わず、茹でた後にサワークリームと一緒に食べます。
ヴァレニキとは異なり、甘いバージョンはありません。ヴァレニキは手作りする人も多いのですが、ペリメニに関しては冷凍食品が主流。ウクライナ料理ではなくロシア料理ですが、まるで自国の料理のように食べる頻度が高いです。
優しい味わいの「ホルプツィ(ロールキャベツ)」

ウクライナのロールキャベツがホルプツィ (Голубці)。挽き肉をキャベツの葉で包んで煮込んだ料理です。肉100%ではなく米が混ぜるので、日本のロールキャベツのような肉肉しい感じはありません。トマトソースで煮込んで、サワークリームと一緒に食べます。
【筆者イチオシ】感動の美味しさ「クルシェニキ」

ウクライナで一番美味しいと思った料理がクルシェニキ (крученики)。薄くスライスした牛肉で、キノコのソテーを巻いた食べ物で、キノコが美味しい季節になるとレストランのメニューに登場します。サワークリームをふんだんに使ったソースとの相性が抜群です。
ウクライナの家庭の味「コトレータ(ハンバーグ)」

本来は「骨付き肉の骨を取り外した肉」を意味したのですが、現在はハンバーグ状のものを全てコトレータ (Котлета)と呼んでいます。きちんとしたレストランで食べると肉率が高くて美味しいのですが、お惣菜コーナーの安い値段のコトレータだとツナギの味しかしない残念ハンバーグです。
バターが溢れ出す!名物「チキン・キエフ」

ウクライナの首都キエフ発祥なので、キエフ風チキンと名付けられた、コトレタ・ポキエフスキー (Котлета по-київськи)。チキンの胸肉でバターを包んで揚げた料理で、アツアツのうちにナイフを入れるとバターが流れ出るので、それをソースにして食べます。
パサパサした鶏の胸肉はバターで緩和され、バターにはガーリックとハーブが入るのでそれ程重くならない、素晴らしく絶妙なバランスを持った料理です。余りにも美味しいので直ぐにウクライナ全土に広まり、周辺各国でも食されるようになりました。
きちんとしたレストランで食べると感動する美味しさ。スーパーのお総菜コーナーの安いやつでもそれなりに美味しいです。ただ熱々でないと中のバターが溶け出さないので、揚げたてを食べるのが一番。
💡 観光情報:
首都キーウ(キエフ)には、この料理発祥の地とされるレストランや、伝統的な建築を楽しめるスポットが多数あります。
失敗知らずのロースト肉「ペチェニャ」
肉の塊をオーブンでローストした食べ物がペチェニャ (Печеня)。不味くなる要素が無いので、普通に美味しいです。当たり外れがないので、安心して美味しい物が食べたい時はペチェニャをどうぞ。でもわざわざウクライナでなくても食べれそうな味ではあります。
お祝いの席の主役「ビホス(ザワークラウト煮込み)」

キャベツの漬物のようなザワークラウトを豚肉、ソーセージ、ベーコンなどと一緒に煮込んだ料理がビホス(Бігос)。ウクライナの伝統的な料理ですが、ポーランド、リトアニア、ベルルーシなどでも有名な料理です。
温かい酸っぱさが苦手な人にはキツイ料理。私も最初はダメだったのですが、慣れると美味しく感じるようになりました。ビホスは火にかけたりおろしたりを繰り返しながら、2~3日かけて煮込みます。手間暇がかかる料理なので、特別な日のご馳走です。
【軽食・おつまみ】ビールやウォッカが進むスナック系
国民的ファストフード「チェブレキ」

もともとはクリミア・タタール人の代表的な民族料理で、今ではウクライナ人から絶大な人気を誇るファーストフードがチェブレキ (Chebureki)。ひき肉やマッシュポテト、チーズなどの具を薄いパイ生地にくるんで油で揚げた食べ物です。
チェブレキは大きくて安い。小腹が空いたらチェブレキ、と決めているウクライナ人が多いです。チェブレキはクヴァースと呼ばれる微アルコール飲料をお供にして食べる人が殆ど。チェブレキはレストランのメニューにはないので、屋台や専門店で購入しましょう。
【驚愕の旨さ】食べる脂身「サーロ」

ウクライナを代表する伝統料理がサーロ (Сало)、豚の脂身の塩漬けです。見た目が脂身そのものなので、最初は抵抗感があるかも知れません。一見すごく脂っこそう、と言うか脂身そのものなのですが、食べてみるとそれほど気になりません。
口の中でとろける感じで、ほんのり甘い味がします。豚の脂身はどこの国でも食べますが、脂身だけを食べるのは大変珍しい。塩漬けの他に燻製されたサーロもあり、どちらも本当に美味しかったです。
薄くスライスしてパンの上にのせ、スプリングオニオンと一緒に食べます。日本語だとワケギ、北欧や東欧で良く好まれている食材で、ネギと玉ねぎの中間にあたります。サーロとスプリングオニオンの組み合わせは、控え目に言って最高でした。
とても滋養があるので、厳しい冬に欠かせない食べ物。ウォッカと一緒に食べる人が多いのだそう。ウクライナ人はあまりにもサーロを食べ過ぎるので、ロシア人からサーロと呼ばれています。久々に驚きのある、感動するほど美味しい食べ物でした。
💡 旅のヒント:
最高のサーロを手に入れたいなら、スーパーよりも地元の市場(バザール)へ。キーウの「ベッサラブスキー市場 (Besarabsky Market)」は観光客にも有名で、試食させてくれるお店も多いです。
カリっと香ばしい「デルニー(ポテトパンケーキ)」

ウクライナだけでなく、旧ソ連圏の広い国々で愛されている料理がジャガイモのパンケーキ、デルニー (Деруни)。ジャガイモをすりおろし、小麦粉を混ぜてフライパンで焼きます。ウクライナは小麦粉のパーセンテージが他国よりも多いので、それほどイモイモしていないのが特徴。サワークリームと一緒に食べます。
酒の肴に最高!「魚の燻製」

ウクライナでは生の魚は殆ど売られていないのですが、魚の燻製は良く目にします。ロシア特産の、超高級食材キャビアの親となるチョウザメの燻製も見つけました。チョウザメは高貴なタイ、みたいな味がして美味しいです。
ただウクライナの人達はそれほど好んでチョウザメを食べている訳ではなく、良く食べられているのはニシン、スケトウダラ、鱈、鯖、サーモンです。旧ソ連圏の国々は本当に燻製が上手。どれもが素晴らしく美味しかったので大変おすすめです。
絶品!「サーモンの燻製」は別格の味

ウクライナで絶対にお勧めの料理は、サーモンの燻製です。ウクライナの魚の燻製はどれも美味しいのですが、サーモンは別格でした。少し油っぽいのですが、それがまた美味しい。味付けも何だか良く分からないけど美味しくて、とにかく美味しい、と語彙を無くすくらい美味しいです。
シンプルイズベスト「コウバサ(ソーセージ)」

ウクライナ語でソーセージをコウバサ (Ковбаса)と呼びます。スパイスは効かせずシンプルな味付けが特徴。ただ年々肉の味がしなくなっていて、味が落ちている気がします。わざわざウクライナまで来て、無理して食べる事はないかも。
クセ強め?「豚の血のソーセージ」

豚の血で作る黒いソーセージは、好きな人は好きなのですが、苦手な人はとことん苦手な味。ウクライナのブラッドソーセージは香辛料を余り使わず、米やソバの実なども入れないプレーンなタイプが多いので、他国のブラッドソーセージより臭みを強く感じるかも知れません。
ウクライナ版ピロシキ「プィリジキ」
ウクライナで一番愛されている総菜パンがプィリジキ (пиріжки)、日本でも有名なピロシキです。小麦粉と卵で作ったパン生地で色々な具を包み、オーブンで焼く、または油で揚げた食べ物。
具の種類が多くて、ひき肉、魚肉、ゆで卵、チーズ、ジャガイモ、キノコなどのオカズ系、ジャムやクリームなどの菓子パン系、どちらもあります。ちなみに日本のカレーパンは、ピロシキを元にして作られたのだそう。
クリスマスの珍味「ホロデッツ(煮こごり)」
肉や魚をゼラチンで固めた料理がホロデッツ (Холодець)。クリスマスに良く食される料理です。個人的にとても苦手な領域の食べ物で、見た目も味も何もかもが生臭い。ネタで食べるにはいいと思います。
【主食】ウクライナ人の元気の源!カーシャとパン
健康食として大注目「カーシャ(穀物粥)」
穀物や豆類などを水、ブイヨン、牛乳などで柔らかく煮た粥の総称をカーシャ (каша)と呼びます。ウクライナに限らず、旧ソ連圏の国々で良く食べられている主食系の食べ物。色々な種類があるので、特にウクライナで人気のあるカーシャをピックアップします。
カルパティア地方の名物「バヌーシュ」

バヌーシュ (Banosh)は、とうもろこしの粉を水またはサワークリームで煮て作るお粥。ブリンザチーズ(少し塩辛いカッテージチーズのようなチーズ)を添えて食べます。マッシュルームや厚切りベーコン、羊のチーズなどをトッピングして、メイン料理として食べる事も多いです。
💡 アクセス情報:
本場のバヌーシュを食べるなら、西ウクライナのカルパティア山脈地方へ。観光拠点のイヴァーノ=フランキーウシク (Ivano-Frankivsk) までは、キーウから特急列車で約9時間です。


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