プロが選ぶ本当に美味しいイギリス料理50選:もう不味いとは言わせない美食ガイド

ヨーロッパ在住30年のフードライターが、世界100ヵ国以上を食べ尽くすの記録。今回は自信を持っておすすめする美味しいイギリス料理50選。「イギリスは不味い」のイメージが国際的に定着していますが、実はイギリス、皆が思っているほど不味くないんです。

  1. 【王道の朝食】フル・ブレックファースト:英国の食文化はここから始まる
  2. 【優雅な午後】アフタヌーン・ティー:貴族が愛した究極の贅沢
  3. 【国民食】フィッシュ&チップス:カリッと揚がった英国の魂
  4. 【パブの定番】スカンピ&チップス:ビール泥棒の揚げ物
  5. 【燻製の極み】キッパー:ニシンの燻製が香る朝
  6. 【ロンドンの珍味】ジェリード・イ―ル:度胸試しの一皿
  7. 【進化する味】パブ料理の新鋭フィッシュケーキ
  8. 【奇祭の料理】ジブリ映画で有名なスターゲイジーパイ
  9. 【家庭の味】英国の普通のフィッシュパイ
  10. 【伯爵の発明】サンドウィッチ:世界のランチを変えた食
  11. 【スコットランドの魂】カーレンスキンク:心温まる濃厚スープ
  12. 【ウェールズのキャビア】ラバーブレッド:究極のスーパーフード
  13. 【魔法のソース】グレイビーソース:全てを包み込む茶色の液体
  14. 【日曜の儀式】サンデーランチ:家族の絆を繋ぐロースト
  15. 【ランカシャーの誇り】英国を代表する家庭料理 ランカシャー・ホットポット
  16. 【栄養爆弾】イギリスのブラック・プディング
  17. 【ジャンクの王様】英国のファーストフード:バタード・ソーセージ
  18. 【詩人が愛した味】ハギス:スコットランドの伝説的料理
  19. 【パイの真髄】ステーキ&キドニーパイ:濃厚な内臓の旨味
  20. 【冷たいままで】ポークパイ:ピクニックの絶対王者
  21. 【究極の牛肉料理】ビーフ・ウェリントン:手間暇かけたご馳走
  22. 【庶民の味方】スコッチ・パイ:スタジアムの熱狂と共に
  23. 【農家の知恵】コテージ・パイ:マッシュポテトの布団
  24. 【羊飼いのパイ】シェパーズ・パイ:羊肉好きにはたまらない
  25. 【鉱夫の弁当】コーニッシュ・パスティ:持ち運べる完全食
  26. 【百貨店の発明】スコッチ・エッグ:究極の携帯食
  27. 【シンプルイズベスト】ハムのソテー:ガモンステーキ
  28. 【北部のハイカロリー】パーモ:チーズとベシャメルの洪水
  29. 【英国生まれのカレー】チキン・ティッカマサラ:偶然が生んだ奇跡
  30. 【世界を席巻】カツカレー:KATSUはソースの名前?
  31. 【屋台の味】ジャケット・ポテト:ホクホクの土台
  32. 【肉の相棒】ヨークシャ・プディング:皿を拭うためのパン
  33. 【謎の名前】トード・イン・ザ・ホール:穴の中のヒキガエル
  34. 【緑の衝撃】マッシュ―・ピー:フィッシュ&チップスの名脇役
  35. 【健康朝食】ポリッジ:黄金の健康食
  36. 【家庭の味】ブレッド&バタープディング:残り物の魔法
  37. 【甘美な誘惑】トフィー:歯にくっつく幸せ
  38. 【禁断のスイーツ】スティッキー・トフィー・プティング:英国No.1デザート
  39. 【発明品】バノフィ―パイ:サッチャー時代の名作
  40. 【戦時の工夫】クランブル:簡単で美味しいフルーツの相棒
  41. 【野菜のデザート】ルバーブ:酸味と甘味のハーモニー
  42. 【論争の種】スコーン:ジャムが先か、クリームが先か
  43. 【禁断の脂肪分】クロテッドクリーム:悪魔的な美味しさ
  44. 【クリスマスの味】ミンスパイ:サンタも大好物
  45. 【ハエの墓場?】エクルズケーキ:歴史ある保存食
  46. 【鉄板のケーキ】ウェルシュ・ケーキ:グリドルで焼く素朴な味
  47. 【王家のクッキー】ショートブレッド:スコットランドの黄金比率
  48. 【レモンの香り】シュルズベリーケーキ:サクサクの歴史
  49. 【瓶詰めの太陽】レモンカード:濃厚な酸味と甘味
  50. イギリス料理は本当に不味いのか:美食の国への変貌
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【王道の朝食】フル・ブレックファースト:英国の食文化はここから始まる

イギリスで美味しいものを食べたかったら、3食とも朝食を選びなさい。これはイギリスの有名な作家、サマセット・モームの言葉。確かにイギリスの伝統的な朝食は圧倒的に美味しく、フル・ブレックファースト (Full Breakfast) と呼ばれています。

大きなプレートに目玉焼き、べーコン、ハム、豆シチュー、ソーセージ、ハッシュドポテトなどが盛られます。ボリュームが凄いので、毎朝食べている訳ではなく、休日にゆっくり起きて朝昼を兼ねて楽しむ食事。英国名物フル・ブレックファーストに関しては、別記事で詳しくまとめました。

イギリス流の朝食フル・ブレックファスト:イギリスで一番美味しい食べ物
「イギリスは不味い」これは世界的な認識です。イギリスは本当に、皆が思っているほど不味いのでしょうか?イギリスにだって美味しいモノ、結構沢山あるんです。例えばイギリス式朝ごはん。ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界中を食べ尽くすの記録...

フードキュレーターの補足メモ:労働者のためのエネルギー源

産業革命時代、重労働に従事する労働者たちが一日を乗り切るためのカロリー源として定着したのがこのスタイルの始まりです。2026年現在では、ロンドンを中心に「ヴィーガン・フル・ブレックファースト」も一般的になりました。植物由来のブラック・プディングやソーセージが進化し、伝統を守りつつも現代の健康志向に合わせた選択肢が増えています。

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【優雅な午後】アフタヌーン・ティー:貴族が愛した究極の贅沢

アフタヌーン・ティーは紅茶と共にサンドウィッチやスイーツを楽しむイギリスを代表する食文化。本来はイギリスの貴族階級だけに許された優雅な食文化ですが、今では一般の人達も楽しめるようになっています。

料理だけではなく、全てをトータル的に楽しむのがアフタヌーン・ティーの真髄です。決められたルールなどもあるので、是非別の記事でまとめた「アフタヌーン・ティーに関する全て」を読んで勉強してから楽しみましょう。

イギリスのアフタヌーンティー:英国貴族の優雅な食文化
ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界100ヵ国以上を食べ尽くすの記録。今回は最近日本でも人気が高まっているイギリスの優雅な食文化アフタヌーン・ティーに関する全て、歴史や作法などを解説します。イギリスのアフタヌーン・ティーイギリス発祥...

フードキュレーターの補足メモ:空腹を紛らわせるための発明

1840年頃、第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが、夕食までの空腹(当時の夕食は午後8時以降でした)を紛らわせるために始めた習慣が起源です。ちなみに、スコーンと紅茶だけの簡易版は「クリームティー」と呼ばれます。2026年のトレンドは、ファッションブランドや映画とコラボレーションした「テーマ型アフタヌーンティー」です。

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【国民食】フィッシュ&チップス:カリッと揚がった英国の魂

イギリス人が週に2回は食べている料理が、フィッシュ&チップス (Fish and Chips) 。白身の魚とポテトのフライで、安くて美味しいイギリスの国民食的存在です。通常フィッシュ&チップスには味が付いていません。

フィッシュ&チップスに限らず、イギリスは「味付けは自分でして下さい系」の料理が多いので、色々な調味料のボトルをテーブルの上にずらっと揃えているレストランが多いです。ケチャップ、マヨネーズ、ブラウンソース、タルタルソース。

自分の好きなソースで自分で味付けして食べます。中には手作りのタルタルソースなどをフィッシュ&チップスに添えるレストランもありますが、一般的には市販の調味料。そして基本的にイギリス人は、化学調味料系の味が大好きです。

現在では色々なソースをかけて食べますが、王道はモルツビネガーと呼ばれる麦芽から作られる酢。日本では入手困難なので、英国滞在中に是非本場の味を試して頂きたい。クセがある分クセになる味です。イギリス人はモルツ・ビネガーを、魚だけでなくポテトにもバシャバシャかけて食べます。

イギリスで「フィッシュ&チップス下さい」は通用しません。魚の種類を選ばなくてはならないからです。英国でフィッシュ・アンド・チップスをオーダーする時に困らないよう、注文の仕方や魚の種類などを別記事で詳しくまとめました。

イギリスで一番美味しいフィッシュ&チップスが食べられる場所
フランスの元シラク大統領は言いました。「イギリスのように不味い料理を作る国は信用出来ない。」 残念な事に「イギリスは不味い」の認識は全世界に定着しています。確かに英国料理は周辺のグルメな国々の料理と比較すると少し見劣りしてしまうかもしれませ...

フードキュレーターの補足メモ:移民が生んだ国民食

実はフィッシュ・アンド・チップスは移民文化の融合です。「魚のフライ」はユダヤ系移民が、「チップス(フライドポテト)」はフランスやベルギーの影響で持ち込まれました。2026年現在は、持続可能性(サステナビリティ)が重要視されており、MSC認証(海のエコラベル)を取得したタラやコダラを使用する店がスタンダードになっています。

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【パブの定番】スカンピ&チップス:ビール泥棒の揚げ物

イギリスは日本で言う居酒屋のようなパブ(酒場)で有名な国です。イギリスの典型的なパブ料理の中で、一番人気を誇るのがスカンピ&チップス (Scampi & Chips)。スカンピと呼ばれるヨーロッパアカザエビのミンチにパン粉を付けて揚げた料理。

高級なレストランだと確実にエビだと認識できるものを出してくれますが、パブだとエビ風味団子フライに近いです。イギリス人はフィッシュ&チップスが大好きなのですが、お酒を伴う食事だと断然スカンピ派の人の方が多いです。

パブのスカンピは明らかにジャンク系の味がしますが、ビールには最高に合います。さすがパブ料理の王様。それにイギリス人の酒量は本当に凄いので、酔っ払い達にとっては、エビ以外の何が混入されていようが知ったこっちゃない、って感じだと思います。

フードキュレーターの補足メモ:本物はランゴスティーヌ

「スカンピ」は本来、イタリア語で手長海老(ランゴスティーヌ)を指します。しかし、英国の安価なパブチェーンでは、モンクフィッシュ(アンコウ)の身を成形したものが代用されるという都市伝説がかつてありました。現在は食品表示法が厳格化されているため、「Scampi Bites」として売られているものは成形肉ですが、正統派ガストロパブでは殻付きのままグリルされた本物のスカンピを楽しむことができます。

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【燻製の極み】キッパー:ニシンの燻製が香る朝

キッパー(Kipper)とはニシンの身を開いて塩漬けにし、乾燥させてから燻製した食べ物です。イギリス流の魚の燻製で 、日本人なら確実に好きな味だと思います。昔のイギリス人にとって、朝ごはんと言えばキッパーでした。

朝から魚を食べる国って、実は以外と少ないです。キッパーは味も日本人好みですが、そういう所にも何だか親近感を感じます。ニシンはヨーロッパ北部で良く食べられている魚。色々な調理法がありますが、酢漬けやマリネにして食べる事が多いです。

どんな方法で調理されても美味しいニシンですが、個人的にはイギリスの燻製が一番美味しいと思います。英国では茶色いパンにバターを塗って、ニシンの燻製をのせて食べます。これはこれで美味しいけれど、日本人としては炊き立てのご飯と合わせてみたい衝動にかられます。

フードキュレーターの補足メモ:王室も愛する「クラスター・キッパー」

ノーサンバーランド州のクラスター(Craster)という村で作られる「クラスター・キッパー」は、世界最高のニシンの燻製と称され、英王室にも献上されています。伝統的なオーク材で燻されたその香りは別格です。保存食として生まれたキッパーですが、現在は高級なブランチメニューとして再評価されています。

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【ロンドンの珍味】ジェリード・イ―ル:度胸試しの一皿

ウナギのゼリー寄せ、ジェリード・イ―ル (Jellied Eels) は、世界的な悪評を持つイギリス料理です。見かけもえぐいのですが、味もかなり生臭い。一般的に食されているイギリス料理ではありませんが、怖いもの見たさとか罰ゲーム的な扱いで、観光客には人気のある食べ物。

意外にもウナギはかつてのロンドンの名物で、テムズ川で大量に獲れました。現在は絶滅の危機に瀕していて、オランダや北アイルランドから輸入しています。基本的に英国のウナギ料理は煮る、またはこのゼリー寄せだけ。焼くの選択が無いのが残念です。

フードキュレーターの補足メモ:イーストエンドの労働者の味

18世紀、産業革命下のロンドン・イーストエンド地区で、貧しい労働者にとってテムズ川のウナギは貴重なタンパク源でした。ウナギを煮込むとコラーゲンが溶け出し、冷えると自然に煮凝り(ゼリー)になります。現在、伝統的な「パイ&マッシュ」の店は減少傾向にありますが、老舗の「M.Manze」などでは今も当時の味を守り続けています。

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【進化する味】パブ料理の新鋭フィッシュケーキ

歴史の浅い食べ物ですが、イギリスを代表するパブ料理になりつつあるのがフィッシュケーキ (Fishcake) 。魚のケーキと呼ばれますが、甘くはありません。基本的には白身魚のすり身とマッシュポテトを捏ねて揚げた料理。

フィッシュケーキは作る人の分だけレシピがあります。本物の魚が入った本格的なものから、路上のフードトラックで売られるジャンク寄りのB級フード風のものまで、色々なタイプのフィッシュケーキがあります。

フードキュレーターの補足メモ:残り物を美味しく変身

フィッシュケーキの起源は、余った魚とポテトを無駄にしないための「マンデー(月曜日)料理」にあります。現代では、スモークサーモンを入れたり、タイ風のスパイスを効かせたりと、シェフのアレンジが光る一品に昇格しました。カリッとした衣とふわふわの中身のコントラストが命です。

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【奇祭の料理】ジブリ映画で有名なスターゲイジーパイ

イワシやニシンで作るフィッシュパイが、スターゲイジーパイです。英国南西部のコーンウォール地方の伝統料理で、魚の頭部と尾の部分がパイから突き出しているのが大きな特徴。その様子がまるで魚が星空を見上げているように見える事から、スターゲイジーパイ (Stargazy pie) と名付けられました。ジブリ映画の魔女の宅急便で登場した料理なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

コーンウォール州のマウスホール(Mousehole)という村で、12月23日の「トム・ボーコック・イブ(Tom Bawcock’s Eve)」という祭りの日にだけ食べられる神聖な伝統料理でもあります。伝説によると、嵐の中で命がけで漁に出て村を飢餓から救った漁師トム・ボーコックを称えるためのものであり、魚がパイから顔を出しているのは、中の魚が入っていることを証明するためだと言われています。

見かけが大変インパクトのある料理なので、ホームパーティとかで良く登場します。イギリス人って結構オチャメなので、人を驚かせたりするのが実は大好きなのです。

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【家庭の味】英国の普通のフィッシュパイ

スターゲイジーパイの他にも、普通のフィッシュパイ(Fish Pie)も存在します。ホワイトソースで和えた魚介と野菜の上にマッシュポテトを被せてオーブンで焼いた料理。パイとは呼びますが、パイ生地を使わないのが特徴。

フードキュレーターの補足メモ:金曜日の定番ディナー

この料理は「フィッシャーマンズ・パイ」とも呼ばれます。パイ生地を使わないのは、ジャガイモが主食の国ならではの発想。タラ、鮭、燻製魚をミックスし、ゆで卵を入れるのが伝統的なスタイルです。2026年のスーパーマーケットでは、電子レンジで温めるだけの高品質なフィッシュパイが大人気で、忙しい共働き家庭の救世主となっています。

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【伯爵の発明】サンドウィッチ:世界のランチを変えた食

17世紀にカード賭博に夢中なサンドウィッチ伯爵が、ゲームを続けながら片手で食べることのできる食事を要望したことから生まれたサンドウィッチ。発祥の地だからでしょうか。ハムだけのシンプルさでもイギリスのサンドウィッチは何故だか美味しいです。

イギリス人は異常にキュウリ好きなので、キュウリをはさんだだけのサンドウィッチが必ず入ります。新鮮で栄養のないものを食べることが上流階級の証だったころの名残なのだそう。

フードキュレーターの補足メモ:スーパーの「ミールディール」

イギリス旅行で外せないのが、スーパーマーケット(TescoやSainsbury’s)の「Meal Deal(ミールディール)」文化です。サンドイッチ+スナック+飲み物のセットが格安(2026年時点で約4〜5ポンド)で買えるため、学生やビジネスマンのランチの定番です。キュウリサンドは、実はヴィクトリア朝時代、温室を持てる貴族しか新鮮な野菜を食べられなかったことへの「富の誇示」でした。

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【スコットランドの魂】カーレンスキンク:心温まる濃厚スープ

1890年代のスコットランド北部の漁村(Cullen)で生まれたとされる、伝統的な名物料理がカーレンスキンク (Cullen skink) です。タラとジャガイモ、玉ねぎを煮込んで作る濃厚なクリームスープ。とても優しい感じの味で、心も体も温まる、寒い冬に欠かせないスープです。

作る人によってタラの他にアサリを入れたり、大きめにカットした野菜がゴロゴロしたボリュームのあるスープとなるので、カーレンスキンクとパンだけで充分お腹いっぱいになります。

フードキュレーターの補足メモ:燻製ハドックが味の決め手

このスープの最大の特徴は、普通のタラではなく「スモークハドック(燻製コダラ)」、特に「フィナン・ハディ(Finnan Haddie)」と呼ばれる冷燻された魚を使う点にあります。このスモーキーな香りがクリームに移ることで、単なるクラムチャウダーとは一線を画す深い味わいが生まれます。「Skink」はもともと牛のスネ肉を指すスコットランド語でしたが、貧しい漁村で手に入りやすい魚で代用されたのが始まりです。

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【ウェールズのキャビア】ラバーブレッド:究極のスーパーフード

イギリス人も海藻食べます。ウェールズ人と限定した方がいいかも知れません。ラバーブレッド(Laverbread)と呼ばれ、岩場に生息している海藻らしいです。希少価値の高い食べ物なので、ウェールズのキャビアとも呼ばれています。

フードキュレーターの補足メモ:パンではなく海苔のペースト

「ブレッド」といってもパンではありません。海苔の一種を何時間も煮込んでペースト状にしたものです。通常はオートミールと混ぜて揚げて、朝食のベーコンと一緒に食べます。2026年現在、その豊富なミネラルと旨味成分が世界のシェフから注目され、高級レストランのソースの隠し味としても使われる「スーパーフード」としての地位を確立しています。

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【魔法のソース】グレイビーソース:全てを包み込む茶色の液体

イギリス料理を語る上で、絶対に外せないのがグレイビーソース (Gravy) の存在です 。肉汁にワインやスパイスを入れ、軽く炒めた小麦粉を加えて煮込んだソース。イギリス料理の基本はグレイビーソースです。

イギリス人はびっくりする程グレイビーソースを何にでもかけて食べます。最近は手作りする人が少なく、粉状から瓶詰まで色々な種類のグレイビーソースが市販されています。どれもインスタント系の味がしますが、だからこそイギリス人が大好きなのだと思います。

フードキュレーターの補足メモ:北と南のグレイビー論争

「Bisto」などのインスタント顆粒は家庭の必需品ですが、英国北部ではグレイビーへのこだわりが特に強く、南部よりも濃く、粘度が高いものを好む傾向があります。近年では、クラフトビールやキャラメリゼした玉ねぎを使った「グルメ・グレイビー」を提供するガストロパブも増えており、単なる脇役から料理の主役へと進化しつつあります。

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【日曜の儀式】サンデーランチ:家族の絆を繋ぐロースト

サンデー・ランチ (Sunday Lunch)は サンデー・ローストとも呼ばれます。いずれにせよサンデーなのは、日曜日の12時から5時位の間に食べる、休日にゆっくり起きた後に食べる、朝昼兼用のメニューだからです。

ローストビーフ、ローストポテト、ヨークシャプディングなどに、グレイビーソースをたっぷりかけて食べます。イギリス料理の基本はグレイビーソース。肉にも野菜にも何にでもグレイビー。

このグレイビーソースを美味しく感じられるかどうかが、イギリス料理を好きになれるかどうかの境目だと思います。個人的にはグレイビーソースなしで、ローストビーフはワサビ醤油とか持ち込んで食べたい派です。

フードキュレーターの補足メモ:パン屋のオーブンが生んだ文化

かつて一般家庭に大きなオーブンがなかった時代、人々は日曜日の教会へ行く前に、肉の塊をパン屋の大きなオーブンに預け、礼拝後に焼き上がった肉を持ち帰って食べたのが始まりです。この「共用オーブン」の歴史が、国民的な日曜日の習慣を作り上げました。現在では家で作る手間を省き、パブで食べるのが主流です。

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【ランカシャーの誇り】英国を代表する家庭料理 ランカシャー・ホットポット

イギリスは少し田舎に行くと羊だらけの国です。羊肉がとても美味しい国なので、イギリスに居る間はラム肉に狙いを絞って食べてもいい位です。ラム肉料理の代表格は、ランカシャー・ホットポット (Lancashire hotpot) 。

本来はイングランド北西部の州ランカシャーで生まれた郷土料理なのですが、今ではイギリス全土に普及して、英国人の大好きな家庭料理となっています。ぶつ切りのラム肉と玉ねぎ、人参などの根菜類をスープで煮込み、スライスしたジャガイモをのせてオーブンでじっくり焼き上げます。

ラム肉の旨味だけで調理された料理で、日頃は味のない料理に辟易する事が多いのですが、ランカシャー・ホットポットに関しては味がなくて全く正解。羊好きな方なら絶対に食べて頂きたい料理です。

フードキュレーターの補足メモ:工場労働が生んだスローフード

産業革命の中心地だったランカシャーで、女性も工場で働いていたため、朝セットしておけば仕事から帰ってくる頃に低温でじっくり火が通っているこの料理が重宝されました。上にジャガイモを敷き詰めるのは、中身の水分蒸発を防ぐ「蓋」の役割も果たしています。英国の長寿ドラマ『コロネーション・ストリート』の登場人物ベティが作る名物料理としても有名です。

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【栄養爆弾】イギリスのブラック・プディング

イギリスでは豚の血で作るソーセージを、ブラック・プディング (Black pudding) と呼びます。血なだけに日本人には好き嫌いが分かれる味ですが、イギリスに限らずヨーロッパの人達は大好きなソーセージです。

ランクシャー産のブラック・プディングが一番有名で、血だけでなく、豚の脂身、オートミールなども入ります。昔から愛されてきた食べ物ですが、最近はスーパーフード的な扱いになってきました。

炭水化物を殆ど含まず、タンパク質、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが大量に含まれているからです。慣れれば癖になる味なので、毛嫌いせず、頑張って食べてみましょう。栄養価抜群です。

フードキュレーターの補足メモ:ストーノウェイの奇跡

特にスコットランドのルイス島で作られる「ストーノウェイ・ブラック・プディング(Stornoway Black Pudding)」は別格で、EUの地理的表示保護(PGI)と同様の保護認定を受けています。独特の臭みがなく、まるで濃厚なケーキのような食感です。2026年には鉄分不足を解消する健康食品として、サラダのトッピングにするスタイルも流行しています。

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【ジャンクの王様】英国のファーストフード:バタード・ソーセージ

ソーセージに衣をつけて揚げたものをバタード・ソーセージ (Battered sausage) と呼びます。イギリスの若者に大変人気のあるファーストフードで、こればっか食べている学生が多いです。専門のスタンドもあるし、フィッシュ・アンド・チップス屋さんのメニューの中にもあります。

フードキュレーターの補足メモ:カロリーへの背徳感

「バター(Batter)」とは天ぷら粉のような衣液のこと。巨大なソーセージを衣にくぐらせて揚げるこの料理は、カロリー計算を放棄したい日の夜食として愛され続けています。フィッシュ&チップス店で魚よりも安価なため、学生の強い味方です。

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【詩人が愛した味】ハギス:スコットランドの伝説的料理

ハギス (Haggis) は羊の心臓、レバー、肺などを細かく切ってオートミール、玉ねぎなどと混ぜて腸詰にした、見てくれが大変不細工な食べ物。スコットランドの郷土料理で、スコッチウィスキーのお供として、伝統的に食べられてきた料理です。現在はイギリス全土で食べられていてファンも多いのですが、基本的にはゲテモノ食扱い。

フードキュレーターの補足メモ:1月25日はハギスの日

スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの誕生日である1月25日(バーンズ・ナイト)には、ハギスに詩を朗読してからナイフを入れる儀式が行われます。見た目は野性的ですが、スパイスが効いていてウイスキーとの相性は世界一。最近では「ベジタリアン・ハギス」のクオリティが劇的に向上し、肉好きでもそちらを選ぶ人がいるほどです。

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【パイの真髄】ステーキ&キドニーパイ:濃厚な内臓の旨味

イギリスはパイ料理が本当に豊富で作るのも上手です。メインディッシュとしてのパイ料理を代表するのが、ブイヨンで煮込んだ肉のシチューがたっぷり入ったステーキ・アンド・キドニーパイ (Steak and kidney pie) 。

勿論イギリス人はグレイビーソースをかけて食べるのですが、カットすると中のシチューが溢れだすので、私的にはグレイビーソースは必要無いと思います。イギリスの伝統的で典型的、かつ定番のパブ料理。何処で食べても美味しいけれど、何処で食べても似たような味ではあります。

フードキュレーターの補足メモ:キドニー(腎臓)の役割

キドニー(牛や羊の腎臓)が入ることで、シチューに独特の鉄分とコクが加わります。苦手な人もいますが、長時間煮込むことでクセは和らぎます。パイ生地には、バターではなく「スエット(牛脂)」を使うのが伝統的なレシピで、これにより重厚でサクサクした食感が生まれます。

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【冷たいままで】ポークパイ:ピクニックの絶対王者

多くのパイが温かくして食べるのですが、ポークパイだけは例外で冷たくして食べます。パイの王様と呼ばれていて、イギリスだけでなく、オーストラリアでも人気のあるパイ。シェイクスピアの作品にも登場しています。

冷たくして食べるのは、具である豚肉をゼリー状の煮こごりが覆っているから。ゼラチンのプルプルした食感を楽しむ為に、ポークパイは常に冷たいまま食べなくてはなりません。温める必要が無いので、ピクニックに持っていく事が多く、ピクニックパイなんて呼び方もされています。

フードキュレーターの補足メモ:メルトン・モウブレイの称号

レスターシャー州のメルトン・モウブレイ(Melton Mowbray)で作られるポークパイは、シャンパンと同じように保護指定を受けています。手びねりで成形され、灰色がかった豚肉(保存料を使わない証拠)が入っているのが本物の証。狩猟のお供として開発されたため、馬に乗っていても崩れない頑丈な皮が特徴です。

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【究極の牛肉料理】ビーフ・ウェリントン:手間暇かけたご馳走

牛ヒレ肉の塊をフォアグラやマッシュルームなどと一緒にパイ生地で巻いてオーブンで焼いた料理をビーフ・ウェリントン (Beef Wellington) と呼びます。高価な食材を使うので、かなり高級料理。クリスマスなんかの特別な日に食べる事が多いです。個人的には何もパイで包まなくても、と思う一品です。

フードキュレーターの補足メモ:ゴードン・ラムゼイの代名詞

ナポレオンを破ったウェリントン公爵にちなんで名付けられたと言われていますが、確証はありません。近年では有名シェフ、ゴードン・ラムゼイが自身のシグネチャー料理として広めたことで世界的に再ブレイクしました。肉の焼き加減とパイのサクサク感を両立させるのが非常に難しく、シェフの腕が試される一品です。

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【庶民の味方】スコッチ・パイ:スタジアムの熱狂と共に

スコットランド発祥のパイなのでスコッチ・パイ (Scotch pie) と呼ばれていますが、今ではイギリス全土に浸透しています。円筒形のパイで、中の具は伝統的には塩コショウで味付けされた羊のひき肉。最近は牛肉が多くなってきました。

フードキュレーターの補足メモ:フットボール・パイ

スコットランドではサッカー観戦のお供として絶対的な地位を確立しており、「フットボール・パイ」とも呼ばれます。パイの縁が通常より高く作られているのは、中身の肉汁がこぼれないようにするためとも、上に豆やマッシュポテトをトッピングするためのスペースとも言われています。安価で満足感のある、労働者階級のソウルフードです。

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【農家の知恵】コテージ・パイ:マッシュポテトの布団

イギリスを代表する家庭の味がコテージ・パイ (Cottage pie) です。パイと名付けられていますが、パイ生地は使いません。炒めた牛ひき肉の上にマッシュポテトとチーズをのせてオーブンで焼き上げた料理。

見かけは完全にグラタン。パイ生地の代わりにマッシュポテトを使うのですが、それでもパイと呼ぶのは、昔の一般的な人達はパイ生地が高価すぎて使えなかったからだとされています。

フードキュレーターの補足メモ:18世紀からのリサイクル料理

1791年頃、貧しい農民(Cottagers)が、日曜日のローストビーフの残りをミンチにして、当時普及し始めた安価なジャガイモで覆って焼いたのが始まりです。現在では「コンフォート・フード(ほっとする味)」の代表格であり、パブのメニューにも必ず載っています。

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【羊飼いのパイ】シェパーズ・パイ:羊肉好きにはたまらない

作り方も見た目も全くコテージ・パイと同じ、でも羊肉を使えばシェパーズ・パイ (Shepherds pie) と呼ばれます。英国は羊肉が本当に美味しい。ただイギリスの羊肉の美味しさを堪能したいなら、ローストで食べるのが一番です。

フードキュレーターの補足メモ:名前の厳密な違い

「Shepherd(羊飼い)」が世話をするのは羊なので、羊肉(ラムやマトン)を使うのがシェパーズ・パイ。牛を世話する人はいませんから、牛肉を使うのがコテージ(農家)パイ。この区別はイギリス人にとって非常に重要で、間違えると厳しく訂正されることがあります。2026年現在は、レンズ豆を使った「Gardener’s Pie(庭師のパイ)」というヴィーガン版も人気です。

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【鉱夫の弁当】コーニッシュ・パスティ:持ち運べる完全食

イギリス南西部のコーンウォール地方の有名な郷土料理が、コーニッシュ・パスティ (Cornish Pasty) です 。オカズ系ペストリーの代表格で、牛肉と玉ねぎ、ジャガイモなどをパイ生地で包み半月型に成形して焼いた食べ物。

コーンウォール地方は採掘が盛んな土地で、鉱山で働く人達が汚れた手でも食べられるように工夫して作られたのだそう。ポケットに入れても壊れない硬さで、安価で栄養たっぷりな事も大切な要素でした。

鉱山で働く人達が居なくなった現在でもコーンウォール地方に行くとパスティの専門店が軒を連ねます。今ではイギリス全土で見かける人気のファーストフードとなりましたが、出来れば本場で食べておきたい味です。

フードキュレーターの補足メモ:D字型とサイドのひだ

「コーニッシュ・パスティ」を名乗るには厳格なルール(PGI認定)があります。形はD字型、ひだ(Crimping)は上部ではなく「横」になければなりません。そして具材には牛肉、ジャガイモ、スウェード(西洋カブ)、玉ねぎ以外を入れてはいけません。かつて鉱夫たちは、毒性のあるヒ素がついた手で持った「ひだ」の部分を捨てて食べていたという逸話がありますが、今は全部美味しく食べられます。

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【百貨店の発明】スコッチ・エッグ:究極の携帯食

スコッチ・エッグ (Scotch egg)と呼ぶからにはスコットランド発祥の料理かと思いきや、実はイギリスで生まれた食べ物なのだそう。ロンドンにあるロイヤルファミリー御用達の紅茶で有名な高級百貨店「フォートナム&メイソン」が、1738年にスコッチ・エッグを生み出したとされています。

ミンチしたお肉というかソーセージで丸ごとの茹で卵をくるみ、衣をつけて揚げた料理。揚げないでオーブンで焼くバージョンもあります。フォートナム&メイソンではデリ・コーナーでスコッチ・エッグが販売されてます。是非本家の味をお試しあれ。

スコッチ・エッグは旅行者の為に持ち運びやすく、腹持ちの良い食べ物として開発されました。現在でもこの精神は全イギリス人に受け継がれていて、イギリス人とピクニックすると、高確率でコレ作ってくれるか、買って来てくれます。

フードキュレーターの補足メモ:黄身はとろっと半熟で

スーパーで売られている安いスコッチエッグは固茹で卵ですが、ガストロパブや高級店で提供される現代のスコッチエッグは、ナイフを入れると黄身がとろりと流れ出す「半熟」がスタンダードです。ブラック・プディングやチョリソーを肉だねに混ぜたアレンジ版も人気を博しています。

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【シンプルイズベスト】ハムのソテー:ガモンステーキ

イギリス人が大好きな厚切りハムのソテー。普通に美味しいけれど、日本で販売されているボンレスハムを厚切りにしてフライパンで焼けば同じような味となるので、わざわざイギリスまで来て食べなくても、とは思います。

フードキュレーターの補足メモ:パイナップルか目玉焼きか

メニューには通常「Gammon Steak(ガモンステーキ)」と書かれています。ガモンとは燻製または塩漬けされた豚の後ろ足の肉。パブでの定番スタイルは、上にパイナップルの輪切りを乗せて甘じょっぱくするか、半熟の目玉焼きを乗せるかの二択です。塩気が強いので、ビールのつまみとしては最高です。

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【北部のハイカロリー】パーモ:チーズとベシャメルの洪水

パーモ (Parmo) は豚肉や鶏肉をパン粉に包んで揚げたカツレツにベシャメルチーズとチェダーチーズをのせオーブンで焼き上げた、カロリーが大変心配な料理。更には大量のポテトフライと共に食べます。

フードキュレーターの補足メモ:ミドルズブラのソウルフード

正式名称は「Teesside Parmesan」。第二次世界大戦後、ミドルズブラに移住したギリシャ系アメリカ人の海軍シェフ、ニコス・ハリスが考案したと言われています。日本のチキンカツに濃厚なグラタンソースとチーズをぶっかけたような味で、現地の若者が「飲んだ後のシメ」に食べる最強の背徳グルメです。

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【英国生まれのカレー】チキン・ティッカマサラ:偶然が生んだ奇跡

カレーはインドを代表する料理ですが、チキン・ティッカ・マサラ (Chicken Tikka Masala) は、イギリス発祥の料理です。イギリスのインド料理レストランで働いていたバングラディッシュのシェフが産み出し、イギリスで大流行した後インドに逆輸入されました。

チキン・ティッカ・マサラは、鶏肉をトマトとクリームをベースとしたカレーソースで煮込んだ料理で、まろやかな辛さが特徴です。イギリスで最も人気のある料理とされていて、もう殆ど国民食の扱いです。

イギリスは世界中からの移民が多いので、遠くに居ても同じ故郷の味を楽しめるような、本場の本格派の味が売りのレストランが多いです。更には本場の味を先進国の食材と技術で発展させたりもするので、本家の味より美味しくなっていたりします。

フードキュレーターの補足メモ:グラスゴー発祥説

最も有力な説は、スコットランドのグラスゴーにあるレストラン「Shish Mahal」のシェフ、アリ・アーメド・アスラム氏が、客に「肉がパサパサしている」と文句を言われ、即興でトマトスープとスパイス、クリームを混ぜたソースをかけたのが始まりというものです。2001年にはロビン・クック外相が「真のイギリス国民食」と演説したことでも有名です。

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【世界を席巻】カツカレー:KATSUはソースの名前?

最近イギリスで大流行しているのが日本のカツカレー。面白い事にカツカレーなのにカツが入っていません。カツの代わりに鶏肉のフライ入り。実はイギリスで「Katsu」はカツそのものではなく、あの甘めの「カレーソース」自体を指す言葉として誤用・定着してしまいました。

なので「Katsu Curry」を頼むと、チキンカツにカレーソースがかかったものが出てきますが、最近では「Katsu Salad」や「Katsu Burger」など、単にあのカレー味のソースを使った料理全般に発展しています。これは、日本食チェーン「Wagamama」が火付け役なのだそう。

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【屋台の味】ジャケット・ポテト:ホクホクの土台

大きなジャガイモを皮ごとオーブンで焼き、半分に切ってバターをのせ、お好みのトッピングをこんもりのせた食べ物をジャケット・ポテト (Jacket Potatoes) と呼びます。トッピングはツナマヨ、チーズ&ビーンズ、チリコンカン、チキンカレー、色々な種類があります。

イギリス版のおにぎりと呼ぶ人も多いです。他国でも良く食べられていますが、単にベイクドポテトと呼ばれます。イギリスではジャガイモの皮をジャケットに例えてジャケットポテトと呼ぶのだそう。ファーストフードではありますが、健康的なジャンクフードと捉える人が多く、B級料理の王様的存在です。

フードキュレーターの補足メモ:究極の焼き方

美味しいジャケットポテトの秘訣は、電子レンジを使わず、オーブンで長時間焼き上げて皮をパリパリ(Crispy)にすることです。一番人気の具材は、ハインツのベイクドビーンズとたっぷりのチェダーチーズ。安くて温かくてお腹いっぱいになる、学生や節約家の強い味方です。

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【肉の相棒】ヨークシャ・プディング:皿を拭うためのパン

バター、卵、小麦粉、ミルクで作るリッチで軽いティストのパンがヨークシャ・プディング (Yorkshire pudding) です。シュークリームの皮みたいにぷっくり膨らんだパンで、前述のサンデーランチに欠かせない食べ物です。イギリス人はこのパンでお皿に残ったグレイビーソースをきれいにするのが大好き。

フードキュレーターの補足メモ:前菜だった歴史

かつては、高価な肉を食べる前に、この安いプディングでお腹を膨らませるための「前菜」として出されていました。ローストビーフを焼いている際、滴り落ちる肉汁(ドリッピング)を受け止めるように下のトレイで焼くのが伝統的かつ最も美味しい作り方です。

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【謎の名前】トード・イン・ザ・ホール:穴の中のヒキガエル

穴の中のヒキガエル、トゥド・イン・ザ・ホール (Toad in the hole) なんて不思議な名前がつけられていますが、カエルは入っていません。ヨークシャプティングの生地の中にガーブの効いたソーセージを入れて焼き上げた食べ物。こちらもグレイビーソースをバシャバシャかけて食べます。

フードキュレーターの補足メモ:名前の由来

名前の由来は諸説ありますが、生地から顔を出しているソーセージが、泥の中から顔を出しているヒキガエルに似ているからという説が有力です。18世紀には、実際にハト肉などを使って作られていましたが、安価なソーセージに置き換わり、現代の形になりました。

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【緑の衝撃】マッシュ―・ピー:フィッシュ&チップスの名脇役

マッシュ―・ピーズ(Mushy peas)とは、ウグイス色のほぼ原形を留めない位に潰した茹でた豆の事。フィッシュ&チップス、フィッシュケーキなどと一緒に食べます。豆そのものの味しかしませんが、これはこれでありな味。

イギリス料理はフライやパイが多く、更にグレービーソースをかけるので、茶系の料理が殆んどです。マッシー・ピーズとニンジンさえあれば彩は完璧。それだけにあるとしか思えない料理ですが、豆好きな人は嫌いじゃないと思います。

フードキュレーターの補足メモ:乾燥豆を使うのが鉄則

これは普通のグリーンピースを潰したものではありません。「マローファットピース(Marrowfat peas)」という乾燥した大きな青エンドウ豆を重曹で一晩戻し、トロトロになるまで煮込んだものです。北イングランドでは、これにミントソースを混ぜて食べるのが通の食べ方です。

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【健康朝食】ポリッジ:黄金の健康食

オーツ麦を水やミルクでドロドロに煮た、お粥みたいな食べ物がポリッジ (Porridge) です。イギリスの朝ごはんの定番で、特に寒い冬に人気の食べ物。食物繊維がたっぷり含まれていて、腹持ちも良いのでダイエットに最適とされていて、整腸作用もあり便秘解消に効果的。健康食品としても注目を浴びています。

最近はジャムや果物のピュレーをトッピングした甘い系のポリッジを食べる傾向が強いのですが、昔からの伝統はバターや塩のみのシンプル版。個人的にはイチゴ、バナナ、レーズンなどを一緒に煮てトロトロにさせたのが一番美味しいと思います。

フードキュレーターの補足メモ:世界大会も開催

スコットランドでは、毎年「ゴールデン・スパートル(ポリッジのかき混ぜ棒)世界選手権」が開催されています。伝統部門では、オートミール、水、塩のみの使用しか認められません。シンプルだからこそ奥が深い、スコットランドの誇り高い料理です。

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【家庭の味】ブレッド&バタープディング:残り物の魔法

イギリスのお袋の味を象徴するデザートが、ブレッド・アンド・バタープディング(Bread and butter pudding)です。バターを塗った食パンをカットして耐熱皿に並べ、レーズンを散らしてからカスタードクリームをたっぷりかけてオーブンで焼いたデザート。日が経って少し固くなってしまった食パンを使って作るリサイクルレシピの定番です。

フードキュレーターの補足メモ:ダイアナ妃の好物

かつては貧しい人々の料理でしたが、ダイアナ元妃が好んで食べたことで一躍有名になりました。彼女のお気に入りのレシピでは、パンの上にあんずジャムを塗り、スライスアーモンドを散らして香ばしさを加えていたそうです。現在ではブリオッシュやクロワッサンを使った豪華版もレストランで提供されています。

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【甘美な誘惑】トフィー:歯にくっつく幸せ

トフィー (Toffee) はバターと砂糖を高温で熱して作るイギリスの伝統的なお菓子で、少ない材料で簡単に出来るので人気があります。柔らかいタイプと色々なトッピングをして焼き上げる固いタイプがあり、日本ではタフィーの名で販売されているようです。

フードキュレーターの補足メモ:ガイ・フォークスの日

11月5日の「ガイ・フォークス・ナイト(ボンファイア・ナイト)」には、トフィー・アップル(リンゴ飴)や、トフィーをハンマーで割って食べる習慣があります。濃厚なバターの風味と焦がし砂糖の香ばしさは、英国の冬の風物詩です。

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【禁断のスイーツ】スティッキー・トフィー・プティング:英国No.1デザート

イギリスの伝統的なスイーツ、スティッキー・トフィー・プディング (Sticky Toffee Pudding) は、名前通りねっとりした食感が特徴です。ナツメヤシのペーストを使った蒸しケーキの上に茶色い、ねっとりしたトフィーのソースをたっぷりかけます。カスタードクリームやバニラアイスとの相性が抜群なので、一緒に添えられる事も多いです。

フードキュレーターの補足メモ:カートメルの発祥

湖水地方の南にある小さな村、カートメル(Cartmel)が発祥の地(あるいは広めた地)として有名です。ここのヴィレッジショップが販売を始めたことで全英に広まりました。キャサリン妃も大好物だと公言しており、英国で「最も好きなプディング」のアンケートをとると必ず上位に入ります。

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【発明品】バノフィ―パイ:サッチャー時代の名作

イギリスを代表するお菓子系のパイと言えばバノフィ―パイ (Banoffee) です。バナナとトフィー、そして生クリームがたっぷりのったパイです。

フードキュレーターの補足メモ:1971年の誕生

「バナナ」と「トフィー」を合わせた造語。1971年にイースト・サセックス州のレストラン「The Hungry Monk」で生まれました。コンデンスミルクの缶を何時間も茹でて作るキャラメル(ドゥルセ・デ・レチェ)を使うのがオリジナルのレシピ。サッチャー元首相も好物だったと言われています。

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【戦時の工夫】クランブル:簡単で美味しいフルーツの相棒

英国生まれのクランブル (Crumble) とは小麦粉、砂糖、冷たいバターを混ぜてソボロみたいにして、煮たフルーツの上などにのせて焼いたもの。ボロボロ状態に崩れる、の意味を持ちます。戦時中に食料の配給が不足していたのでパイを作れず、クランブルにいきついたとされています。

サクサクっとした歯応えと、中のフルーツが季節によって変わるのが楽しいです。リンゴ、プラム、モモ、洋ナシ、色々な果物を使いますが、一番のおすすめは甘酸っぱいルバーブのクランブル。バニラアイスやカスタードクリームと一緒に食べます。

フードキュレーターの補足メモ:日曜日の定番デザート

パイ生地を作る面倒な手間がいらないため、サンデーローストの後のデザートとして最もポピュラーです。2026年のトレンドは、「セイボリー・クランブル(塩味のクランブル)」。野菜の煮込みの上に、ハーブやチーズを混ぜた甘くないクランブルを乗せた食事系メニューも人気が出ています。

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【野菜のデザート】ルバーブ:酸味と甘味のハーモニー

日本ではあまり馴染みのないルバーブ (Rhubarb) は、食用大黄と呼ばれる多年草で、葉は毒を持つので茎だけを食べます。セロリのような見かけと食感で、強い酸味を持つのが特徴。野菜としてではなく、砂糖を加えてデザートに加工して食べます。

寒さには強いのですが暑さに弱いので、北ヨーロッパ特有の、私が住むスペインなどではまずお目にかかれない食べ物。せっかく英国を訪れたからには積極的に食べておきたいです。

フードキュレーターの補足メモ:ルバーブ・トライアングル

ウェスト・ヨークシャー州には「ルバーブ・トライアングル」と呼ばれる名産地があります。ここで冬の間、真っ暗な小屋の中でろうそくの光だけで育てられる「強制栽培ルバーブ」は、鮮やかなピンク色と繊細な甘みがあり、世界中のシェフが指名買いする最高級品です。暗闇の中で成長する際に「パチパチ」と音を立てることで知られています。

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【論争の種】スコーン:ジャムが先か、クリームが先か

イギリスの焼き菓子を代表するのがスコーン(Scones)。何処でも食べる事が出来ますが、美味しいスコーンに当る確率が結構低いです。おばあちゃんの家に招かれると、焼き立てスコーンをふるまわれ、やっぱり手作りが最高ってなります。スーパーで売ってるのは本当に不味い。

フードキュレーターの補足メモ:発音論争

スコーンには永遠の論争が2つあります。1つは発音。「スコーン(Scone)」と発音するか、「スコン(Scon)」と短く発音するか。これは階級や地域によります。もう1つは食べ方。コーンウォール式は「ジャム→クリーム」、デヴォン式は「クリーム→ジャム」。どちらで食べるかで出身地がバレてしまうほど、英国人にとっては重要な問題です。

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【禁断の脂肪分】クロテッドクリーム:悪魔的な美味しさ

スコーンにはクロテッドクリーム(Clotted cream)をつけて食べましょう。バターと生クリームの中間、脂肪分55%以上のとても濃厚なクリームで、スコーンには欠かせないもの。甘さが全くないのでジャムと一緒に食べます。

フードキュレーターの補足メモ:黄金のクラスト

本物のコーニッシュ・クロテッドクリームは、表面に黄色い「クラスト(膜)」が張っています。これは牛乳をゆっくり加熱して作られる過程でできる旨味の凝縮です。コーンウォールで製造されたものだけがこの名前を名乗ることを許されています(PDO認定)。カロリーのことは一旦忘れて、たっぷり乗せるのが礼儀です。

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【クリスマスの味】ミンスパイ:サンタも大好物

イギリスの典型的なクリスマスのお菓子がミンスパイ(Mince pies)です。本来はひき肉とドライフルーツのパイだったのですが、現在はドライフルーツをブランデーとスパイスで煮込んだ餡が入るお菓子となりました。

英国ではクリスマスと言えばミンスパイで、サンタクロースの好物もミンスパイだと言います。だから子供の時、サンタさんの手紙と一緒にミンススパイを添えていた人が多いです。

ミンスパイを見るとそんな幼少時代が思い出され、暖炉の温もりまで感じるのだそう。ミンスパイは家族と幸せの象徴なので、ミンスパイを見るだけで優しくなれる気がするそうです。

フードキュレーターの補足メモ:12個食べると幸せに

「クリスマスから十二夜(1月6日)までの12日間、毎日1個ずつミンスパイを食べると、新しい年の12ヶ月間ずっと幸せになれる」という言い伝えがあります。ただし、自分で作ったものではなく、他人から振る舞われたものでないといけない、というルールもあるようです。ちなみに、「ミンス(Mince)」はひき肉の意味ですが、現在はお肉は入っていません(動物性脂肪のスエットは入ることがあります)。

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【ハエの墓場?】エクルズケーキ:歴史ある保存食

サクサクしたパイ生地の中に、ドライフルーツがたっぷり詰まっているのがエクルズケーキ(Eccles Cakes)。何処でも売っていて、スーパーで売ってる安いやつでも、トースターで焼いて食べれば普通に美味しいです。

フードキュレーターの補足メモ:不名誉なニックネーム

マンチェスター近郊のエクルズという町で生まれたこのお菓子は、中身の干しぶどうが透けて見える様子から、地元では愛情(と皮肉)を込めて「Dead fly pies(死んだハエのパイ)」や「Fly’s Graveyards(ハエの墓場)」と呼ばれています。名前は恐ろしいですが、ランカシャーチーズと一緒に食べると甘じょっぱさが引き立ち、絶品です。

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【鉄板のケーキ】ウェルシュ・ケーキ:グリドルで焼く素朴な味

ウェルシュ・ケーキ(WELSH CAKE) は名前の通りウェールズ地方の伝統的なお菓子。スコーンとホットケーキの中間みたいなケーキで、ほんのりスパイスの味がして、お上品な甘さが特徴です。

ミルクティーに良く合うケーキで、余りにも美味しすぎるのでウェルシュケーキを手作りすると、焼いた翌日まで絶対残らない、と言われていますが、それ程でもないかな。

フードキュレーターの補足メモ:ベイクストーンの魔法

オーブンで焼くのではなく、「ベイクストーン(グリドル)」という厚い鉄板の上で直火焼きするのが伝統的な作り方です。そのため、外側はこんがり、中はしっとりとした独特の食感になります。ウェールズの守護聖人、聖デイヴィッドの日(3月1日)には欠かせないお菓子です。

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【王家のクッキー】ショートブレッド:スコットランドの黄金比率

スコットランド発祥のクッキーで、イギリスのお土産として一番人気のお菓子です。きっと誰もがタータンチェックのパッケージが目印の、ウォーカーズのショートブレッドを食べた事があるのではないでしょうか。砂糖、バター、小麦粉を1対2対3の配合で作るシンプルで素朴な味のクッキー。

フードキュレーターの補足メモ:メアリー女王の愛した味

その起源は中世にまで遡りますが、現在のような形になったのは、スコットランド女王メアリー(Mary, Queen of Scots)がキャラウェイシード入りのものを好んだからだと言われています。本来はクリスマスや大晦日(ホグマネイ)などの特別な日にだけ食べる高級品でした。良いショートブレッドは、口に入れた瞬間にバターの香りと共にホロホロと崩れます。

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【レモンの香り】シュルズベリーケーキ:サクサクの歴史

何時もショートブレッドをお土産に買っている人は、シュルズベリーケーキ (Shrewsbury cake) も試してみて下さい。シュルズベリービスケットとも呼ばれていて、ショートブレッドタイプのクッキーですが、ほのかなレモン味が特徴です。

フードキュレーターの補足メモ:16世紀からの銘菓

イングランド西部シュルズベリーの町で16世紀から作られている歴史ある焼き菓子です。かつてはローズウォーターで香り付けされていましたが、現在はレモンの皮を加えるのが一般的。硬くてカリッとした食感(snap)が特徴で、紅茶に浸して食べる(Dunking)のに最適です。

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【瓶詰めの太陽】レモンカード:濃厚な酸味と甘味

かさばるし割れるのが心配ですが、是非お土産に買って欲しいのがレモンカード (Lemon curd) 。レモン汁をバターなどを利用してプルプルにして固めたもので、トーストに塗ったり、レモンパイのフィリングに使ったり、ホットケーキなどに塗って食べると美味しいです。

フードキュレーターの補足メモ:カード(凝固)の意味

「Curd」とは凝固するという意味。元々はレモンの酸でクリームを凝固させてチーズのようにしていたことから名付けられました。ジャムとは違い、卵とバターが入っているため賞味期限は短いですが、そのフレッシュで濃厚な味わいは他には代えられません。2026年は、パッションフルーツやライムを使った「トロピカル・カード」も人気が出ています。

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イギリス料理は本当に不味いのか:美食の国への変貌

イギリスは不味い、残念ながらそんな認識が世界中にはびこっていますが、実はそれほど不味くはない。何を食べても美味しい、とは言い難い国ですが、美味しいものも沢山あります。それでは何故、イギリスは不味いの悪評が定着したのでしょうか。別記事で詳しく解説します。

イギリス料理は本当に不味いのか?イギリスが美食大国へと進化した歴史的背景と最新グルメ事情を徹底解説
「イギリスは不味い」残念ながらこれは世界的な認識です。では実際に、イギリス料理は本当に不味いのでしょうか?ヨーロッパ在住20年のフードライターが、「イギリスは不味い」のイメージが定着してしまった理由を解説します。英国料理の味付け:『後付けの...

フードキュレーターの最後のまとめ

「イギリス料理が不味い」と言われたのは過去の話。2026年の現在、ロンドンは世界有数の美食都市となり、地方でも地産地消(Farm to Table)を掲げる素晴らしいガストロパブが増えています。産業革命や戦争による食文化の断絶を乗り越え、伝統料理への回帰と、多文化との融合が今の英国料理を面白くしています。ぜひ、固定観念を捨てて、新しい英国の味に挑戦してみてください。

コメント

  1. […] […]

  2. […] 世界食べ尽くしの旅 2019-04-24 22:30:29美味しいイギリス料理25選 おすす… […]

  3. […] 世界食べ尽くしの旅 2019-04-24 22:30:29美味しいイギリス料理25選 おすす… […]

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