絶対に食べたい美味しいイギリス料理50選、イギリスの有名な食べ物まとめ
2024/07/17
ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界100ヵ国以上を食べ尽くすの記録。今回は自信を持っておすすめする美味しいイギリス料理50選。「イギリスは不味い」のイメージが国際的に定着していますが、皆が思っているほどイギリス料理は不味くないです。
フル・ブレックファースト
イギリスで美味しいものを食べたかったら、3食とも朝食を選びなさい。これはイギリスの有名な作家、サマセット・モームの言葉。確かにイギリスの伝統的な朝食は圧倒的に美味しく、フル・ブレックファースト (Full Breakfast) と呼ばれています。
大きなプレートに目玉焼き、べーコン、ハム、豆シチュー、ソーセージ、ハッシュドポテトなどが盛られます。ボリュームが凄いので、毎朝食べている訳ではなく、休日にゆっくり起きて朝昼を兼ねて楽しむ食事。英国名物フル・ブレックファーストに関しては、別記事で詳しくまとめました。
アフタヌーン・ティー
アフタヌーン・ティーは紅茶と共にサンドウィッチやスイーツを楽しむイギリスを代表する食文化。本来はイギリスの貴族階級だけに許された優雅な食文化ですが、今では一般の人達も楽しめるようになっています。
料理だけではなく、全てをトータル的に楽しむのがアフタヌーン・ティーの真髄です。決められたルールなどもあるので、是非別記事のアフタヌーン・ティーに関する全てを読んで勉強してから食べましょう。
フィッシュ&チップス
イギリス人が週に2回は食べている料理が、フィッシュ&チップス (Fish and Chips) 。白身の魚とポテトのフライで、安くて美味しいイギリスの国民食的存在です。通常フィッシュ&チップスには味が付いていません。
フィッシュ&チップスに限らず、イギリスは「味付けは自分でして下さい系」の料理が多いので、色々な調味料のボトルをテーブルの上にずらっと揃えているレストランが多いです。ケチャップ、マヨネーズ、ブラウンソース、タルタルソース。
自分の好きなソースで自分で味付けして食べます。中には手作りのタルタルソースなどをフィッシュ&チップスに添えるレストランもありますが、一般的には市販の調味料。そして基本的にイギリス人は、化学調味料系の味が大好きです。
現在では色々なソースをかけて食べますが、王道はモルツビネガーと呼ばれる麦芽から作られる酢。日本では入手困難なので、英国滞在中に是非本場の味を試して頂きたい。クセがある分クセになる味です。イギリス人はモルツ・ビネガーを、魚だけでなくポテトにもバシャバシャかけて食べます。
イギリスで「フィッシュ&チップス下さい」は通用しません。魚の種類を選ばなくてはならないからです。英国でフィッシュ・アンド・チップスをオーダーする時に困らないよう、注文の仕方や魚の種類などを別記事で詳しくまとめました。
スカンピ&チップス
イギリスは日本で言う居酒屋のようなパブ(酒場)で有名な国です。イギリスの典型的なパブ料理の中で、一番人気を誇るのがスカンピ&チップス (Scampi & Chips)。スカンピと呼ばれるヨーロッパアカザエビのミンチにパン粉を付けて揚げた料理。
高級なレストランだと確実にエビだと認識できるものを出してくれますが、パブだとエビ風味団子フライに近いです。イギリス人はフィッシュ&チップスが大好きなのですが、お酒を伴う食事だと断然スカンピ派の人の方が多いです。
パブのスカンピは明らかにジャンク系の味がしますが、ビールには最高に合います。さすがパブ料理の王様。それにイギリス人の酒量は本当に凄いので、酔っ払い達にとっては、エビ以外の何が混入されていようが知ったこっちゃない、って感じだと思います。
イギリスの魚の燻製キッパー
キッパー(Kipper)とはニシンの身を開いて塩漬けにし、乾燥させてから燻製した食べ物です。イギリス流の魚の燻製で 、日本人なら確実に好きな味だと思います。昔のイギリス人にとって、朝ごはんと言えばキッパーでした。
朝から魚を食べる国って、実は以外と少ないです。キッパーは味も日本人好みですが、そういう所にも何だか親近感を感じます。ニシンはヨーロッパ北部で良く食べられている魚。色々な調理法がありますが、酢漬けやマリネにして食べる事が多いです。
どんな方法で調理されても美味しいニシンですが、個人的にはイギリスの燻製が一番美味しいと思います。英国では茶色いパンにバターを塗って、ニシンの燻製をのせて食べます。これはこれで美味しいけれど、日本人としては炊き立てのご飯と合わせてみたい衝動にかられます。
ジェリード・イ―ル
ウナギのゼリー寄せ、ジェリード・イ―ル (Jellied Eels) は、世界的な悪評を持つイギリス料理です。見かけもえぐいのですが、味もかなり生臭い。一般的に食されているイギリス料理ではありませんが、怖いもの見たさとか罰ゲーム的な扱いで、観光客には人気のある食べ物。
意外にもウナギはかつてのロンドンの名物で、テムズ川で大量に獲れました。現在は絶滅の危機に瀕していて、オランダや北アイルランドから輸入しています。基本的に英国のウナギ料理は煮る、またはこのゼリー寄せだけ。焼くの選択が無いのが残念です。
パブ料理の新鋭フィッシュケーキ
歴史の浅い食べ物ですが、イギリスを代表するパブ料理になりつつあるのがフィッシュケーキ (Fishcake) 。魚のケーキと呼ばれますが、甘くはありません。基本的には白身魚のすり身とマッシュポテトを捏ねて揚げた料理。
フィッシュケーキは作る人の分だけレシピがあります。本物の魚が入った本格的なものから、路上のフードトラックで売られるジャンク寄りのB級フード風のものまで、色々なタイプのフィッシュケーキがあります。
ジブリ映画で有名な英国料理
イワシやニシンで作るフィッシュパイが、スターゲイジーパイです。英国南西部のコーンウォール地方の伝統料理で、魚の頭部と尾の部分がパイから突き出しているのが大きな特徴。
その様子がまるで魚が星空を見上げているように見える事から、スターゲイジーパイ (Stargazy pie) と名付けられました。ジブリ映画の魔女の宅急便で登場した料理なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
見かけが大変インパクトのある料理なので、ホームパーティとかで良く登場します。イギリス人って結構オチャメなので、人を驚かせたりするのが大好き。スターゲイジーパイは英国人が、美味しいとか以前にノリとシャレで作ってくれるパーティー料理です。
英国の普通のフィッシュパイ
スターゲイジーパイはネタ系寄りの食べ物ですが、普通のフィッシュパイ(Fish Pie)も存在します。ホワイトソースで和えた魚介と野菜の上にマッシュポテトを被せてオーブンで焼いた料理。パイとは呼びますが、パイ生地を使わないのが特徴。
サンドウィッチ
17世紀にカード賭博に夢中なサンドウィッチ伯爵が、ゲームを続けながら片手で食べることのできる食事を要望したことから生まれたサンドウィッチ。発祥の地だからでしょうか。ハムだけのシンプルさでもイギリスのサンドウィッチは何故だか美味しいです。
イギリス人は異常にキュウリ好きなので、キュウリをはさんだだけのサンドウィッチが必ず入ります。新鮮で栄養のないものを食べることが上流階級の証だったころの名残なのだそう。
イギリスの美味しいスープ
1890年代のスコットランド北部の漁村(Cullen)で生まれたとされる、伝統的な名物料理がカーレンスキンク (Cullen skink) です。タラとジャガイモ、玉ねぎを煮込んで作る濃厚なクリームスープ。とても優しい感じの味で、心も体も温まる、寒い冬に欠かせないスープです。
作る人によってタラの他にアサリを入れたり、大きめにカットした野菜がゴロゴロしたボリュームのあるスープとなるので、カーレンスキンクとパンだけで充分お腹いっぱいになります。
イギリスの海藻
イギリス人も海藻食べます。ウェールズ人と限定した方がいいかも知れません。ラバーブレッド(Laverbread)と呼ばれ、岩場に生息している海藻らしいです。希少価値の高い食べ物なので、ウェールズのキャビアとも呼ばれています。
グレイビーソース
イギリス料理を語る上で、絶対に外せないのがグレイビーソース (Gravy) の存在です 。肉汁にワインやスパイスを入れ、軽く炒めた小麦粉を加えて煮込んだソース。イギリス料理の基本はグレイビーソースです。
イギリス人はびっくりする程グレイビーソースを何にでもかけて食べます。最近は手作りする人が少なく、粉状から瓶詰まで色々な種類のグレイビーソースが市販されています。どれもインスタント系の味がしますが、だからこそイギリス人が大好きなのだと思います。
イギリスの週末はサンデーランチ
サンデー・ランチ (Sunday Lunch)は サンデー・ローストとも呼ばれます。いずれにせよサンデーなのは、日曜日の12時から5時位の間に食べる、休日にゆっくり起きた後に食べる、朝昼兼用のメニューだからです。
ローストビーフ、ローストポテト、ヨークシャプディングなどに、グレイビーソースをたっぷりかけて食べます。イギリス料理の基本はグレイビーソース。肉にも野菜にも何にでもグレイビー。
このグレイビーソースを美味しく感じられるかどうかが、イギリス料理を好きになれるかどうかの境目だと思います。個人的にはグレイビーソースなしで、ローストビーフはワサビ醤油とか持ち込んで食べたい派です。
英国を代表する家庭料理
イギリスは少し田舎に行くと羊だらけの国です。羊肉がとても美味しい国なので、イギリスに居る間はラム肉に狙いを絞って食べてもいい位です。ラム肉料理の代表格は、ランカシャー・ホットポット (Lancashire hotpot) 。
本来はイングランド北西部の州ランカシャーで生まれた郷土料理なのですが、今ではイギリス全土に普及して、英国人の大好きな家庭料理となっています。ぶつ切りのラム肉と玉ねぎ、人参などの根菜類をスープで煮込み、スライスしたジャガイモをのせてオーブンでじっくり焼き上げます。
ラム肉の旨味だけで調理された料理で、日頃は味のない料理に辟易する事が多いのですが、ランカシャー・ホットポットに関しては味がなくて全く正解。羊好きな方なら絶対に食べて頂きたい料理です。
イギリスのブラック・プディング
イギリスでは豚の血で作るソーセージを、ブラック・プディング (Black pudding) と呼びます。血なだけに日本人には好き嫌いが分かれる味ですが、イギリスに限らずヨーロッパの人達は大好きなソーセージです。
ランクシャー産のブラック・プディングが一番有名で、血だけでなく、豚の脂身、オートミールなども入ります。昔から愛されてきた食べ物ですが、最近はスーパーフード的な扱いになってきました。
炭水化物を殆ど含まず、タンパク質、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが大量に含まれているからです。慣れれば癖になる味なので、毛嫌いせず、頑張って食べてみましょう。栄養価抜群です。
英国のファーストフード
ソーセージに衣をつけて揚げたものをバタード・ソーセージ (Battered sausage) と呼びます。イギリスの若者に大変人気のあるファーストフードで、こればっか食べている学生が多いです。専門のスタンドもあるし、フィッシュ・アンド・チップス屋さんのメニューの中にもあります。
ハギス
ハギス (Haggis) は羊の心臓、レバー、肺などを細かく切ってオートミール、玉ねぎなどと混ぜて腸詰にした、見てくれが大変不細工な食べ物。スコットランドの郷土料理で、スコッチウィスキーのお供として、伝統的に食べられてきた料理です。現在はイギリス全土で食べられていてファンも多いのですが、基本的にはゲテモノ食扱い。
ステーキ&キドニーパイ
イギリスはパイ料理が本当に豊富で作るのも上手です。メインディッシュとしてのパイ料理を代表するのが、ブイヨンで煮込んだ肉のシチューがたっぷり入ったステーキ・アンド・キドニーパイ (Steak and kidney pie) 。
勿論イギリス人はグレイビーソースをかけて食べるのですが、カットすると中のシチューが溢れだすので、私的にはグレイビーソースは必要無いと思います。イギリスの伝統的で典型的、かつ定番のパブ料理。何処で食べても美味しいけれど、何処で食べても似たような味ではあります。
ポークパイ
多くのパイが温かくして食べるのですが、ポークパイだけは例外で冷たくして食べます。パイの王様と呼ばれていて、イギリスだけでなく、オーストラリアでも人気があるパイ。シェイクスピアの作品にも登場しています。
冷たくして食べるのは、具である豚肉をゼリー状の煮こごりが覆っているから。ゼラチンのプルプルした食感を楽しむ為に、ポークパイは常に冷たいまま食べなくてはなりません。温める必要が無いので、ピクニックに持っていく事が多く、ピクニックパイなんて呼び方もされています。
ビーフ・ウェリントン
牛ヒレ肉の塊をフォアグラやマッシュルームなどと一緒にパイ生地で巻いてオーブンで焼いた料理をビーフ・ウェリントン (Beef Wellington) と呼びます。高価な食材を使うので、かなり高級料理。クリスマスなんかの特別な日に食べる事が多いです。個人的には何もパイで包まなくても、と思う一品です。
スコッチ・パイ
スコットランド発祥のパイなのでスコッチ・パイ (Scotch pie) と呼ばれていますが、今ではイギリス全土に浸透しています。円筒形のパイで、中の具は伝統的には塩コショウで味付けされた羊のひき肉。最近は牛肉が多くなってきました。
コテージ・パイ
イギリスを代表する家庭の味がコテージ・パイ (Cottage pie) です。パイと名付けられていますが、パイ生地は使いません。炒めた牛ひき肉の上にマッシュポテトとチーズをのせてオーブンで焼き上げます。
見かけは完全にグラタン。パイ生地の代わりにマッシュポテトを使うのですが、それでもパイと呼ぶのは、昔の一般的な人達はパイ生地が高価すぎて使えなかったからだとされています。
シェパーズ・パイ
作り方も見た目も全くコテージ・パイと同じ、でも羊肉を使えばシェパーズ・パイ (Shepherds pie) と呼ばれます。英国は羊肉が本当に美味しい。ただイギリスの羊肉の美味しさを堪能したいなら、ローストで食べるのが一番です。
コーニッシュ・パスティ
イギリス南西部のコーンウォール地方の有名な郷土料理が、コーニッシュ・パスティ (Cornish Pasty) です 。オカズ系ペストリーの代表格で、牛肉と玉ねぎ、ジャガイモなどをパイ生地で包み半月型に成形して焼いた食べ物。
コーンウォール地方は採掘が盛んな土地で、鉱山で働く人達が汚れた手でも食べられるように工夫して作られたのだそう。ポケットに入れても壊れない硬さで、安価で栄養たっぷりな事も大切な要素でした。
鉱山で働く人達が居なくなった現在でもコーンウォール地方に行くとパスティの専門店が軒を連ねます。今ではイギリス全土で見かける人気のファーストフードとなりましたが、出来れば本場で食べておきたい味です。
スコッチ・エッグ
スコッチ・エッグ (Scotch egg)と呼ぶからにはスコットランド発祥の料理かと思いきや、実はイギリスで生まれた食べ物なのだそう。ロンドンにあるロイヤルファミリー御用達の紅茶で有名な高級百貨店「フォートナム&メイソン」が、1738年にスコッチ・エッグを生み出したとされています。
ミンチしたお肉というかソーセージで丸ごとの茹で卵をくるみ、衣をつけて揚げた料理。揚げないでオーブンで焼くバージョンもあります。フォートナム&メイソンではデリ・コーナーでスコッチ・エッグが販売されてます。是非本家の味をお試しあれ。
スコッチ・エッグは旅行者の為に持ち運びやすく、腹持ちの良い食べ物として開発されました。現在でもこの精神は全イギリス人に受け継がれていて、イギリス人とピクニックすると、高確率でコレ作ってくれるか、買って来てくれます。
ハムのソテー
イギリス人が大好きな厚切りハムのソテー。普通に美味しいけれど、日本で販売されているボンレスハムを厚切りにしてフライパンで焼けば同じような味となるので、わざわざイギリスまで来て食べなくても、とは思います。
パーモ
パーモ (Parmo) は豚肉や鶏肉をパン粉に包んで揚げたカツレツにベシャメルチーズとチェダーチーズをのせオーブンで焼き上げた、カロリーが大変心配な料理。更には大量のポテトフライと共に食べます。
チキン・ティッカマサラ
カレーはインドを代表する料理ですが、チキン・ティッカ・マサラ (Chicken Tikka Masala) は、イギリス発祥の料理です。イギリスのインド料理レストランで働いていたバングラディッシュのシェフが産み出し、イギリスで大流行した後インドに逆輸入されました。
チキン・ティッカ・マサラは、鶏肉をトマトとクリームをベースとしたカレーソースで煮込んだ料理で、まろやかな辛さが特徴です。イギリスで最も人気のある料理とされていて、もう殆ど国民食の扱いです。
イギリスは世界中からの移民が多いので、遠くに居ても同じ故郷の味を楽しめるような、本場の本格派の味が売りのレストランが多いです。更には本場の味を先進国の食材と技術で発展させたりもするので、本家の味より美味しくなっていたりします。
カツカレー
最近イギリスで大流行しているのが日本のカツカレー。面白い事にカツカレーなのにカツが入っていません。カツの代わりに鶏肉のフライ入り。イギリスは他国籍の国。豚を宗教上タブーとする国の人が多いからでしょうか。日本のカツカレーとは大分異なりますが、話のネタに是非食べてみて下さい。悪くない味です。
ジャケット・ポテト
大きなジャガイモを皮ごとオーブンで焼き、半分に切ってバターをのせ、お好みのトッピングをこんもりのせた食べ物をジャケット・ポテト (Jacket Potatoes) と呼びます。トッピングはツナマヨ、チーズ&ビーンズ、チリコンカン、チキンカレー、色々な種類があります。
イギリス版のおにぎりと呼ぶ人も多いです。他国でも良く食べられていますが、単にベイクドポテトと呼ばれます。イギリスではジャガイモの皮をジャケットに例えてジャケットポテトと呼ぶのだそう。ファーストフードではありますが、健康的なジャンクフードと捉える人が多く、B級料理の王様的存在です。
ヨークシャ・プディング
バター、卵、小麦粉、ミルクで作るリッチで軽いティストのパンがヨークシャ・プディング (Yorkshire pudding) です。シュークリームの皮みたいにぷっくり膨らんだパンで、前述のサンデーランチに欠かせない食べ物です。イギリス人はこのパンでお皿に残ったグレイビーソースをきれいにするのが大好き。
トード・イン・ザ・ホール
穴の中のヒキガエル、トゥド・イン・ザ・ホール (Toad in the hole) なんて不思議な名前がつけられていますが、カエルは入っていません。ヨークシャプティングの生地の中にガーブの効いたソーセージを入れて焼き上げた食べ物。こちらもグレイビーソースをバシャバシャかけて食べます。
マッシュ―・ピー
マッシュ―・ピーズ(Mushy peas)とは、ウグイス色のほぼ原形を留めない位に潰した茹でた豆の事。フィッシュ&チップス、フィッシュケーキなどと一緒に食べます。豆そのものの味しかしませんが、これはこれでありな味。
イギリス料理はフライやパイが多く、更にグレービーソースをかけるので、茶系の料理が殆んどです。マッシー・ピーズとニンジンさえあれば彩は完璧。それだけにあるとしか思えない料理ですが、豆好きな人は嫌いじゃないと思います。
ポリッジ
オーツ麦を水やミルクでドロドロに煮た、お粥みたいな食べ物がポリッジ (Porridge) です。イギリスの朝ごはんの定番で、特に寒い冬に人気の食べ物。食物繊維がたっぷり含まれていて、腹持ちも良いのでダイエットに最適とされていて、整腸作用もあり便秘解消に効果的。健康食品としても注目を浴びています。
最近はジャムや果物のピュレーをトッピングした甘い系のポリッジを食べる傾向が強いのですが、昔からの伝統はバターや塩のみのシンプル版。個人的にはイチゴ、バナナ、レーズンなどを一緒に煮てトロトロにさせたのが一番美味しいと思います。
ブレッド&バタープディング
イギリスのお袋の味を象徴するデザートが、ブレッド・アンド・バタープディング(Bread and butter pudding)です。バターを塗った食パンをカットして耐熱皿に並べ、レーズンを散らしてからカスタードクリームをたっぷりかけてオーブンで焼いたデザート。日が経って少し固くなってしまった食パンを使って作るリサイクルレシピの定番です。
トフィー
トフィー (Toffee) はバターと砂糖を高温で熱して作るイギリスの伝統的なお菓子で、少ない材料で簡単に出来るので人気があります。柔らかいタイプと色々なトッピングをして焼き上げる固いタイプがあり、日本ではタフィーの名で販売されているようです。
スティッキー・トフィー・プティング
イギリスの伝統的なスイーツ、スティッキー・トフィー・プディング (Sticky Toffee Pudding) は、名前通りねっとりした食感が特徴です。ナツメヤシのペーストを使った蒸しケーキの上に茶色い、ねっとりしたトフィーのソースをたっぷりかけます。カスタードクリームやバニラアイスとの相性が抜群なので、一緒に添えられる事も多いです。
バノフィ―パイ
イギリスを代表するお菓子系のパイと言えばバノフィ―パイ (Banoffee) です。バナナとトフィー、そして生クリームがたっぷりのったパイです。
クランブル
英国生まれのクランブル (Crumble) とは小麦粉、砂糖、冷たいバターを混ぜてソボロみたいにして、煮たフルーツの上などにのせて焼いたもの。ボロボロ状態に崩れる、の意味を持ちます。戦時中に食料の配給が不足していたのでパイを作れず、クランブルにいきついたとされています。
サクサクっとした歯応えと、中のフルーツが季節によって変わるのが楽しいです。リンゴ、プラム、モモ、洋ナシ、色々な果物を使いますが、一番のおすすめは甘酸っぱいルバーブのクランブル。バニラアイスやカスタードクリームと一緒に食べます。
ルバーブ
日本ではあまり馴染みのないルバーブ (Rhubarb) は、食用大黄と呼ばれる多年草で、葉は毒を持つので茎だけを食べます。セロリのような見かけと食感で、強い酸味を持つのが特徴。野菜としてではなく、砂糖を加えてデザートに加工して食べます。
寒さには強いのですが暑さに弱いので、北ヨーロッパ特有の、私が住むスペインなどではまずお目にかかれない食べ物。せっかく英国を訪れたからには積極的に食べておきたいです。
スコーン
イギリスの焼き菓子を代表するのがスコーン(Scones)。何処でも食べる事が出来ますが、美味しいスコーンに当る確率が結構低いです。おばあちゃんの家に招かれると、焼き立てスコーンをふるまわれ、やっぱり手作りが最高ってなります。スーパーで売ってるのは本当に不味い。
クロテッドクリーム
スコーンにはクロテッドクリーム(Clotted cream)をつけて食べましょう。バターと生クリームの中間、脂肪分55%以上のとても濃厚なクリームで、スコーンには欠かせないもの。甘さが全くないのでジャムと一緒に食べます。
ミンスパイ
イギリスの典型的なクリスマスのお菓子がミンスパイ(Mince pies)です。本来はひき肉とドライフルーツのパイだったのですが、現在はドライフルーツをブランデーとスパイスで煮込んだ餡が入るお菓子となりました。
英国ではクリスマスと言えばミンスパイで、サンタクロースの好物もミンスパイだと言います。だから子供の時、サンタさんの手紙と一緒にミンススパイを添えていた人が多いです。
ミンスパイを見るとそんな幼少時代が思い出され、暖炉の温もりまで感じるのだそう。ミンスパイは家族と幸せの象徴なので、ミンスパイを見るだけで優しくなれる気がするそうです。
エクルズケーキ
サクサクしたパイ生地の中に、ドライフルーツがたっぷり詰まっているのがエクルズケーキ(Eccles Cakes)。何処でも売っていて、スーパーで売ってる安いやつでも、トースターで焼いて食べれば普通に美味しいです。
ウェルシュ・ケーキ
ウェルシュ・ケーキ(WELSH CAKE) は名前の通りウェールズ地方の伝統的なお菓子。スコーンとホットケーキの中間みたいなケーキで、ほんのりスパイスの味がして、お上品な甘さが特徴です。
ミルクティーに良く合うケーキで、余りにも美味しすぎるのでウェルシュケーキを手作りすると、焼いた翌日まで絶対残らない、と言われていますが、それ程でもないかな。
ショートブレッド
スコットランド発祥のクッキーで、イギリスのお土産として一番人気のお菓子です。きっと誰もがタータンチェックのパッケージが目印の、ウォーカーズのショートブレッドを食べた事があるのではないでしょうか。砂糖、バター、小麦粉を1対2対3の配合で作るシンプルで素朴な味のクッキー。
シュルズベリーケーキ
何時もショートブレッドをお土産に買っている人は、シュルズベリーケーキ (Shrewsbury cake) も試してみて下さい。シュルズベリービスケットとも呼ばれていて、ショートブレッドタイプのクッキーですが、ほのかなレモン味が特徴です。
レモンカード
かさばるし割れるのが心配ですが、是非お土産に買って欲しいのがレモンカード (Lemon curd) 。レモン汁をバターなどを利用してプルプルにして固めたもので、トーストに塗ったり、レモンパイのフィリングに使ったり、ホットケーキなどに塗って食べると美味しいです。
イギリス料理は本当に不味いのか
イギリスは不味い、そんな認識が世界中にはびこっていますが、実はそれほど不味くはない。何を食べても美味しい、とは言い難い国ですが、美味しいものも沢山あります。それでは何故、イギリスは不味いの悪評が定着したのでしょうか。別記事で詳しく解説します。